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江頭誠 MAKOTO EGASHIRA |「イミテイション・オニキス」

2020.03.02

江頭誠展「イミテイション・オニキス」

期間:2020年3月2日(月) – 2020年5月30日(土) 会期中無休 15:00-22:00 

会場:RC HOTEL 京都八坂1Fロビー、301、302号室(※客室は宿泊客のみ公開)

この度RC HOTEL 京都八坂では江頭誠の作品展「イミテイション・オニキス」を開催します。

江頭は大学の卒業制作以来一貫してロココ調の花柄毛布を素材に用いて作品を制作してきました。

物体も空間も花柄毛布に覆われたインスタレーションやオブジェは異様さとかわいさが融和し鑑賞者に強烈なインパクトを与えます。

江頭の作品が表すのは西洋文化へのコンプレックスや憧れといった日本人の自意識であり、価値の本位のなさを鮮やかに暴き出してきました。

今回の展示「イミテイション・オニキス」では花柄の毛布ではなく、本物の大理石やフェイクの大理石柄シート等を使った新作によって構成されます。

新たに作家が選んだ素材による展開が示すのも、毛布と同様に日本人の西洋文化への憧れからくる作られた高級感へのまなざしや、モノや価値の表層と実態なのでしょう、作家の興味はより具体的かつ先鋭化していきます。

RC HOTEL京都八坂での江頭の新しい作品展開にご期待ください。

 

 

「個人的には江頭の作品に触れた時、手に持った時の体験が特に面白い。

立体作品の鑑賞は絵画と同様に視覚に頼るところは大きいものの、江頭の作品は触れて体験可能なインスタレーションも多く、実際に座れる花柄毛布のソファや羽織れるガウンに被ることのできる帽子も設置されていたりする。

それらすべての体験が通常それらのもつ感覚から外れている。やけに重たかったり、暖かすぎたりと実用的でない。

花柄毛布で覆われたオブジェも柔らかな印象に頼って所謂ぬいぐるみの感覚で手に取ると、硬く重く…その期待はあっさりと裏切られることになる。

目の前の作品の奥にモノ自体は変わらずに居るのだと思うとどこか居心地が悪い。身に纏うものもその機能が過剰になっていると、あるいは機能を果たしていないと異物感が増す。

触ることが想定されている分普通の立体作品以上に触って発見する情報量は多い。

表面を覆う毛布はぬいぐるみや毛深い動物のように触りたい欲求を刺激する、にも関わらず触る事でむしろリアルを突きつけられている感じがする。

新作は作品内容の視覚的な面を強調して作られているように思う、それがどのように影響するか気になるところだ。」

企画 RC HOTEL 京都八坂 アートディレクター 熊谷卓哉

プロフィール
江頭 誠  Makoto Egashira
1986年 三重県四日市市生まれ
2011年 多摩美術大学美術学部彫刻学科 卒業
紹介文
戦後の日本で独自に普及してきた花柄の毛布を主な作品素材として用いて、大型の立体作品、空間性を活かしたインスタレーション作品を発表する。 発砲スチロール製霊柩車を毛布で装飾した「神宮寺宮型八棟造」が第18回岡本太郎現代芸術賞で特別賞を受賞。空間内に毛布で洋式トイレを造った「お花畑」 は SICF17 でグランプリを受賞。 主な展覧会として、「六甲ミーツ・アート2019 芸術散歩」(神戸市 六甲山、2019)
「六本木アートナイト 2017 」( 六本木ヒルズ、2017) ほか。
個展
2019年  「あいまいないま」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)
2018年 「MIX☆アイランド」H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI(東京)
2017年 「SICF17 グランプリアーティスト 江頭誠 展」ワコール スタディホール京都(京都)
2017年 「江頭誠 毛布アート展」京都西川(京都)
2017年 「あいまいな春」Lamp harajuku(東京)
2016年 「Rose Blanket Collectionʼ16」スパイラル1F ショウケース (東京)
グループ展
2019年  「おやすみコロニー」アキバタマビ(東京)
2019年  「OBJECT」京都岡崎蔦屋書店(京都)
2019年  「ストア・アイデンティティ」伊勢丹新宿店メンズ館6F(東京)
2019年  「六甲ミーツ・アート芸術散歩2019」六甲山(兵庫)
2019年  「UNMANNED」抜里駅内(静岡)
2018年  「蒐集衆商」スパイラルガーデン(東京)
2018年  「BIWAKOビエンナーレ2018」近江八幡市街(滋賀)
2018年  「rooms EXPERIENCE 37」五反田TOCビル(東京)
2018年  「大Ah!!rt展 ~アー!!ット叫ぶアート~」西武渋谷(東京)
2018年 「Pⁿ – Powers of PLAY –」東京藝術大学大学美術館陳列館(東京)
2018年 「ニュースターアートコレクション」松坂屋名古屋店(愛知)
2017年 「シブヤスタイル vol.11」西武渋谷(東京)
2017年 「DESIGNART 2017  A(LeFRUDE)E×江頭誠」LOVELESS(東京)
2017年 「六本木アートナイト2017」六本木ヒルズ(東京)
2017年 「SICF17受賞者展」スパイラルガーデン(東京)
2017年 「飯島モトハル コレクション展『綺麗なドレス』」TAV GALLERY(東京)
2016年 「the art fair +plus-ultra 2016」スパイラルガーデン(東京)
2016年 「SICF17」スパイラルホール(東京)
2015年 「第18回岡本太郎現代芸術賞展」岡本太郎美術館(東京)
受賞歴
2016年 「SICF17」グランプリ受賞
2015年 「第18回岡本太郎現代芸術賞展」特別賞受賞

11.16(sat) 西野壮平「道を作る」展示関連イベント | ノマドウォーク・ノマドトーク

2019.11.04

西野壮平「道を作る」展示関連イベント

「ノマドウォーク・ノマドトーク」

日程 2019年11月16日(土)

|ノマドウォーク|
羊飼いに扮した写真家と共に早朝の町や山で写真撮影を行います。休憩の際は本格的なラダック式バターチャイを飲み、遊牧民気分を味わいましょう。
早朝〜お昼頃を予定 |  ¥1,500

|ノマドトーク|
北インド地方ラダックを旅した写真家と特別ゲストの写真家であり民俗学者の赤阪友昭氏によるトーク。トーク終了後「旅と酒」による遊牧民インスパイアの創作料理を食べながらのパーティーを開催します。
18:00-21:00 |  ¥1,000(ワンドリンク付き)

※要予約
※両イベント参加の場合¥2,000

参加ご希望の方、お問い合わせはinfo@rchotelkyotoyasaka.comまで。

 

この度、RC HOTEL 京都八坂では写真家・西野壮平(にしのそうへい)の作品展「道を作る」を開催いたします。

西野は世界中の都市や自然を歩き、撮影した写真をその経験の記憶を元に手作業でコラージュする作品で知られる作家です。「道を作る」と名付けられた本展では、西野が北インド地方ラダックを旅し、その中で目にした失われゆく遊牧民の道なき道と、政府主導で新たに作られゆく道、そして作家自身が歩いた道に焦点を当て、その道程をスナップ写真で辿ります。また展示関連企画として、遊牧民をテーマとした2つの体験型イベント「ノマドウォーク・ノマドトーク」も開催します。

この機会にぜひRC HOTEL 京都八坂へお越しください。

 

▼作家プロフィール
西野壮平(にしの・そうへい)
1982 年、兵庫生まれ。歩くこと、旅を通して得た個人的体験をもとに作品を制作している。 2013 年日本写真協会新人賞、Foam Talents Call 2013、2016 年さがみはら写真新人奨励賞。2018 年 MAST Foundation Photography Grant 受賞。 主な展示に DAEGU PHOTO ビエンナーレ(2010 年・大邱、韓国)、日本の新進作家展 vol.10(2012 年・東 京都写真美術館)、フェスティバル Images Vevey (2012 年・ヴェヴェイ、スイス)Of Walking グループ展 (2013 年・Museum of Contemporary Photography, シカゴ)「New Work: Sohei Nishino Exhibition」 個展 (2016 年・サンフランシスコ近代美術館、アメリカ)等がある。
http://soheinishino.net/jp/

 

▼トークゲストプロフィール

赤阪友昭 | Akasaka Tomoaki
1963年 大阪市生まれ。
1996年、モンゴルでの遊牧生活及びアラスカ先住民の村での暮らしから撮影をはじめる。雑誌『Coyote』等に写真と文を掲載し、プラネタリウムの番組制作や国立民族学博物館での写真展など「継ぐべき命」をテーマに活動を続ける。2000年には、国際文化交流イベント『神話を語り継ぐ人々』を総合プロデュースし、札幌・熊野・東京にて公演。2008年には、三年をかけて故・星野道夫のためのアラスカにトーテムポールを立てた『星野道夫トーテムポールプロジェクト』を共同プロデュース。現在は、日本各地を訪れ、山や森の残された原初の信仰、縄文文化や祭祀を撮影・取材している。2009年から写真ギャラリー photo gallery Sai (大阪)を主宰。近著に『The Myth – 神話の風景から – 』がある。
https://www.akasakatomoaki.net/profile.html

▼フード

旅と酒 | Tabi to sake
二人の故郷山陰地方からアジア諸国、ユーラシアの果てはポルトガルまで。旅の記憶、旅の味、交わした酒や美味しいものに、帰りたくなるあの気持ち…
“旅と酒”をこよなく愛する2人の料理家 太田夏来&増本奈穂が、ひとつのお皿を通してあなたを国境のない旅へと連れて行きます

 

▼企画展示 西野壮平展「道を作る」
期間:2019年11月7日(木) – 2020年2月29日(土) 会期中無休 15:00-22:00
会場:RC HOTEL 京都八坂1Fロビー、301、302号室(※客室は宿泊客のみ公開)
イベント:ノマドウォーク・ノマドトーク ※詳細は下記となります。

「都市から自然へ向かっているとき、身体の移動を強く感じる。ラダックの遊牧民と一緒に歩む道程で感じたのは、日本の舗装された道とは対照的な、道なき道を行く不安だった。…遊牧民との旅では、常に移動しながら拠点が変わり、再び同じ場所へは戻れない状態になる。すると、もう二度と出会えないかもしれない目の前の対象を写真に撮っておきたい、残しておきたいという気持ちがより強く湧いてきた。
そして遊牧民や彼らの家畜たち、道を行き交う人々、移動中の移りゆく風景など、自ら移動しながら写真に収めていった。
遊牧民の住む地域では、現在インド政府が高速道路など様々な道を作っている。この政策により、人の足ではこれまでは2日かかった行程も、わずか数時間で行けるようになった。便利になる反面、周囲の景観が変わり、彼らの生活や文化が今、大きく変わりつつある。 帰国してこの旅を思い起こすとき頭に浮かんできたのは、失われゆく道なき道と、新たに作られゆく道、自分の歩いた道、そんな様々な『道』だった」
– 西野壮平

西野 壮平 SOHEI NISHINO | 「 道を作る」客室展示

2019.10.29

この度、RC HOTEL 京都八坂では写真家・西野壮平(にしのそうへい)の作品展「道を作る」を開催いたします。

西野は世界中の都市や自然を歩き、撮影した写真をその経験の記憶を元に手作業でコラージュする作品で知られる作家です。「道を作る」と名付けられた本展では、西野が北インド地方ラダックを旅し、その中で目にした失われゆく遊牧民の道なき道と、政府主導で新たに作られゆく道、そして作家自身が歩いた道に焦点を当て、その道程をスナップ写真で辿ります。また展示関連企画として、遊牧民をテーマとした2つの体験型イベント「ノマドウォーク・ノマドトーク」も開催します。

この機会にぜひRC HOTEL 京都八坂へお越しください。

 

▼企画展示 西野壮平展「道を作る」
期間:2019年11月7日(木) – 2020年2月29日(土) 会期中無休 15:00-22:00
会場:RC HOTEL 京都八坂1Fロビー、301、302号室(※客室は宿泊客のみ公開)
イベント:ノマドウォーク・ノマドトーク ※詳細は下記となります。

「都市から自然へ向かっているとき、身体の移動を強く感じる。ラダックの遊牧民と一緒に歩む道程で感じたのは、日本の舗装された道とは対照的な、道なき道を行く不安だった。…遊牧民との旅では、常に移動しながら拠点が変わり、再び同じ場所へは戻れない状態になる。すると、もう二度と出会えないかもしれない目の前の対象を写真に撮っておきたい、残しておきたいという気持ちがより強く湧いてきた。
そして遊牧民や彼らの家畜たち、道を行き交う人々、移動中の移りゆく風景など、自ら移動しながら写真に収めていった。
遊牧民の住む地域では、現在インド政府が高速道路など様々な道を作っている。この政策により、人の足ではこれまでは2日かかった行程も、わずか数時間で行けるようになった。便利になる反面、周囲の景観が変わり、彼らの生活や文化が今、大きく変わりつつある。 帰国してこの旅を思い起こすとき頭に浮かんできたのは、失われゆく道なき道と、新たに作られゆく道、自分の歩いた道、そんな様々な『道』だった」
– 西野壮平

 

▼作家プロフィール
西野壮平(にしの・そうへい)
1982 年、兵庫生まれ。歩くこと、旅を通して得た個人的体験をもとに作品を制作している。 2013 年日本写真協会新人賞、Foam Talents Call 2013、2016 年さがみはら写真新人奨励賞。2018 年 MAST Foundation Photography Grant 受賞。 主な展示に DAEGU PHOTO ビエンナーレ(2010 年・大邱、韓国)、日本の新進作家展 vol.10(2012 年・東 京都写真美術館)、フェスティバル Images Vevey (2012 年・ヴェヴェイ、スイス)Of Walking グループ展 (2013 年・Museum of Contemporary Photography, シカゴ)「New Work: Sohei Nishino Exhibition」 個展 (2016 年・サンフランシスコ近代美術館、アメリカ)等がある。
http://soheinishino.net/jp/

【展示関連イベント情報】

「ノマドウォーク・ノマドトーク」

2019年11月16日(土)

・ノマドウォーク
羊飼いに扮した写真家と共に早朝の町や山で写真撮影を行います。休憩の際は本格的なラダック式バターチャイを飲み、遊牧民気分を味わいましょう。
早朝〜お昼頃を予定 | ¥1,500

・ノマドトーク
北インド地方ラダックを旅した写真家と特別ゲストによるトーク。トーク終了後「旅と酒」による遊牧民インスパイアの創作料理を食べながらのパーティーを開催します。
18:00-21:00 | ¥1,000ワンドリンク付き

※要予約
※両イベント参加の場合¥2,000

参加ご希望の方、お問い合わせはinfo@rchotelkyotoyasaka.comまで。

 

11/9(sat),10(sun) アールシー陶器市

2019.10.24

 

/アールシー 陶器市 /
日時 :2019/11/9(土)、10(日) 10時−17時
場所 :RC HOTEL 京都八坂前敷地
入場料:無料
出店作家:鮎川奈央子 金井悠 DAISAK 武内もも 平田万葉 松島崇 松島晶子 横山充 山田春江

この度、秋のRCHOTEL京都八坂にてユニークな陶芸作家9名による「アールシー陶器市」を開催します。
前回も大好評だっだアールシー陶器市が今年も更に参加作家人数が増えてバージョンUP !ホテル前敷地に2日間限定の陶器市が出現します。今年も京都ゆかりの9名の作家が八坂通りに新鮮な賑わいを提供してくれることでしょう。
各作家選りすぐりのユニークなアイテムをこの機会に手に入れてみませんか。

【休館日のお知らせ】

2019.07.28

【休館日のお知らせ】

平素は格別のご高配を賜わり、厚くお礼申し上げます。

このたび、RC HOTEL京都八坂では誠に勝手ながらメンテナンスのため、下記のとおり臨時の休館日とさせていただきますのでお知らせいたします。

当日は大変ご不便ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

7月29日(月)-31日(水)
※8月1日より平常営業となります。

6/21(金)冨井大裕トーク開催 「彫刻について」

2019.06.06

RC HOTEL 京都八坂 主催
冨井大裕トーク 「彫刻について」
日時:2019/6/21(金) 18:00-19:30
場所:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
参加費:無料
定員:20名
現在RC HOTEL 京都八坂では冨井大裕展「泊まる彫刻」が開催中です。展示関連イベントとして作家によるトークをHAPSの会場をお借りして開催します。
冨井大裕の作品とこれまでの制作の軌跡、そして今回作品内容に大きな変化が見えたRC HOTEL 京都八坂での展示における作品の造形アプローチと考え方について、さらに大学教員でもある冨井が国内の美術大学彫刻学科における関西と関東の受験課題の違いに端を発した教育の差などにも触れつつ、彫刻というジャンルについて語ります。
聞き手:熊谷卓哉(美術家 / RC HOTEL京都八坂 アートディレクター)
http://haps-kyoto.com/our-school/events/motohirotomii/

4/27(土)首像公開制作 ”heads bar”

2019.04.16

heads bar
2019年4月27日(土)
15:00-19:00
RC HOTEL 京都八坂 屋上
※首像彫刻公開制作は15:00-16:30を予定、その後完成作品は鑑賞の為会場に展示されます。
雨天中止

冨井大裕展「泊まる彫刻」関連イベントheads barが2019年4月27日(土)開催!
冨井大裕、保井智貴、熊谷卓哉の3名がホテル屋上にて八坂の塔を背景に首像彫刻の公開制作を行います。さらに日本酒がメインのbarが特別オープン!公開制作を鑑賞しながらお酒を楽しんでいただけます。このロケーションで展開される首像彫刻公開制作はおそらく史上初!見逃す手はありません!

heads barは彫刻制作の現場を見せるバーである。正確には彫塑による首像彫刻の制作現場。西洋からやってきた彫刻の約束事と様式を、見るという技術とその展開ー誤読の可能性と読み替えることは可能か否か。京都八坂のホテル屋上、80年代アメリカンロックの調べに乗って、日本の東に未だ伝わる「近代伝統技法」再考の狼煙が上がる。

冨井大裕

冨井 大裕|MOTOHIRO TOMII 客室展示「泊まる彫刻」

2019.03.22

 

冨井大裕展「泊まる彫刻」
展示期間:2019年3月24日(日) – 2019年6月23日(日)
客室展示:RCHOTEL京都八坂 301号室、302号室(※宿泊客のみ公開)
一般公開展示:4月27日(土) – 1Fロビー 15:00-22:00
イベント:冨井大裕トーク 6月未定
Heads Bar 4月27日(土)

この度RC HOTEL 京都八坂では彫刻家・冨井大裕(とみいもとひろ)の作品展「泊まる彫刻」を開催いたします。
※展示は客室からスタートし4月27日(土)よりホテルロビーにて一般公開が開始されます。

ホテルの客室に作品を展示することになった。宿泊客は移り変わるので、その方々の為に作品を制作/展示することはできない。できないわけでもないが、それは作品が部屋の過ごし方を規定することになる。それはあんまり幸せな在り方ではないなと思う。そこで考えをずらして、作品が泊まることを造形する註。とはいえ、お金を払って泊まるわけではないので、本当に泊まる人の邪魔にはならない様に。
註:造形するにあたって、以下のことを念頭に置いた。
1:ホテルについて→鉄筋コンクリート造=型に流し込まれた液体が固まった姿。
2:景色について→同じ物事が違っているかもしれない。微妙な時空間。
3:荷物について→部屋の中で開かれ、畳まれるモノ。
冨井大裕

 

泊まるという行為はおそらく人間にのみ当て嵌まるだろう、この妙な親密さとモノっぽさの同居するタイトルが仄かに示す通り今回の展示では冨井には珍しく人型をしているものも見られる。これまでの展開からは意外にも思えるが彫刻家としては自然な選択かもしれない。素材としての石膏や造形としての人体はその歴史性から恐らく「彫刻」としての自明性を持っている、と言っていいが、作家がある種慎重に距離を取ってきた「彫刻」の条件でもあるだろう。
これまでの、特に素材選択における彫刻の自明性の無さと結果としての彫刻言語の明瞭さは、「人体彫刻」という前提の明瞭さと結果としての不明瞭さへ。しかしこの不明瞭さは、抑えがたく根源的な彫刻の欲望と魅力を表しているのかもしれない。
ホテルという人間的な場所で擬人化して宿泊する冨井大裕の作品を起点に「彫刻」について改めて考えてみたい。
企画 RC HOTEL 京都八坂 熊谷卓哉